「朝シャン」とはいわゆる「朝にシャンプーする(髪を洗う)こと」です。「朝シャンは髪に悪い」といった話はよく聞きますよね。ですが、生活リズムによって朝シャン派の方がいたり、毎日ではないけれど、夜は疲れてそのまま寝てしまって朝にシャワーを浴びて出掛けることがあったりと、朝シャンをなかなか辞められない方も多いのではないでしょうか?
朝シャンはデメリットもありますが、メリットもあり、必ずしも悪いと言うわけではないのです。
メリットとデメリット、朝シャンするときの注意点をご紹介したいと思います!
メリット、デメリットを知ることで、どんな行動がデメリットに繋がっていたのかがわかり、これからの朝シャンに活かすことができます。何気なく行なっていた朝シャンがデメリットに繋がっていて、気付いた時には遅かった…と、のちのち後悔することがないよう、しっかり理解していきましょう!
朝シャンをする方の多くは、意識していたわけでなくも知らず知らずメリットに惹かれて行うようになった方が多いと思います。
どんなメリットがあるかご紹介!
起きてすぐは、体をゆっくり休ませる睡眠時の副交感神経が、体を活発に働かせる交感神経よりも優位です。通常より血圧や血糖値が低く、眠りモードからなかなか切り替えられず、ぼーっとしてしまうのです。
そんなぼーっとした体に温かいシャワーをかけると、低体温状態だった体の血行が良くなり、交感神経が一気に働き始めます。
また、交感神経のスイッチが一気にオンになると、体だけでなく脳も動き出すため、温かいシャワーを気持ち良いと感じます。その気持ちが心からすっきり感を与えてくれるのです。
朝シャンで体を切り替えることは、寝不足気味であったり、なかなか目覚めがすっきりせず日常に引きずってしまう場合などには有効的なのです。
人は寝ている間ももちろん汗をかき、体から出る汗と同じように、頭皮からも皮脂が出ています。汗や皮脂の量は人によって差異がありますが、汗は一晩で平均コップ1杯ほどかくと言われています。枕などの寝具に汗がついていなくても実際は相当な汗が出ているのです。暑い夏場などはさらに量は増えます。
こういった汗や皮脂による、朝起きたときの体や髪のベタつき、臭いなどが気になり朝シャンをされている方も多いのではないでしょうか?
朝シャンは、汗や皮脂を洗い流すため、臭いや不快感を一気に解消してくれます。体臭予防にも効果的で、朝から清潔な体で1日を始めることができます。
髪質によって強弱は異なると思いますが、寝ている間にくっきりついた寝癖はなかなか手強く、朝の忙しい時間の敵ですよね。
癖がついたところだけを濡らしてブローすることで直るなら良いですが、変な方向に曲がった前髪や、ぱっくり割れた後頭部の毛、うねりが取れない襟足の毛など、少し濡らしたくらいでは全く直らない寝癖に悩まされる方も少なくないでしょう。
ひどい寝癖には、何回も少し濡らして、ブローして…と時間を使うより、完全に髪を濡らして確実に癖を直すことが出来る朝シャンは手早く効率的で、一から好きなヘアスタイルにセットすることも出来ます。
メリットだけを見ていると朝シャンは良いことばかりのように思えますが、「朝シャンは髪に悪い」と言われてしまうだけのデメリットがもちろんあります。
デメリットもしっかり知っていきましょう。
毎日のシャンプー習慣が朝だけで、夜は髪を洗わないという方は注意が必要です。メリット②で寝ている間に多くの汗や皮脂が出ていることを伝えましたが、それは起きている時間も同じで、寝ている時間より起きている時間の方が長いので、汗や皮脂量もさらに多く出ています。また、活動している時間は外気のホコリや汚れも加わり、ヘアスタイリング剤を使用している場合はその汚れも付着しています。
それらを落とさずに寝ていると、頭皮がずっと汚れた状態になるため髪の成長を妨げてしまいます。
頭皮や髪も肌と同じで、寝ている夜の間に栄養をつくり、行き渡らせ成長します。髪の成長には清潔で健康な頭皮環境が必要ですが、汚れを落とさずに寝るのは、女性が化粧を落とさずに寝ることがお肌に悪いのと同じで、頭皮状態を悪化させてしまうのです。そして、悪環境の頭皮からは健康な髪は生えにくいので、薄毛に繋がっていくのです。
頭皮や髪には「庇護膜(ひごまく)」というものがり、その庇護膜が、頭皮や髪を外気のダメージなどから守っています。庇護膜はシャンプーすると剥がれ落ち、頭皮から分泌される皮脂によってゆっくりと再生されていきます。夜シャンプーなら、寝ている間に庇護膜が作られるため問題ないですが、ゆっくりする時間が少ない朝シャンプーでは、膜が作られる前に外に出て外気の汚れや紫外線を直接受けてしまうことになります。特に紫外線は、庇護膜がしっかりあったとしてもダメージを与えてしまうほど強力な有害物質です。庇護膜が不十分な頭皮や髪に、ダイレクトに強いダメージを与えてしまうのです。
また、適度な皮脂は、庇護膜と同様で頭皮や髪を守るために必要ですが、朝シャンは頭皮や髪に必要な皮脂まで洗い流してしまう恐れもあり、さらにダメージを受けやすくなります。しかも、必要な皮脂が流れダメージを受けると、体は分泌が不足していると判断して補おうとするため、本来足りているはずの皮脂量を超えた皮脂を出そうとし、過剰分泌を引き起こすことにもなるのです。
朝シャンは出勤や通学など出かける前に行うことがほとんどだと思います。そういった時は忙しくバタバタしますよね。慌ただしく行う朝シャンは、どうしても洗い残しやすすぎ残しが発生しがちです。特にすすぎ残しはシャンプー剤に含まれる添加物や保湿成分などが頭皮に残ったままとなり、頭皮や髪がベタつくだけでなく、頭皮に吹き出物ができたりと多くのトラブルを引き起こします。
すすぎ残しに気付かず積み重なると、溜まり続けたシャンプー剤などは皮脂と合わさり、雑菌が繁殖する元となります。雑菌が増えた頭皮は不衛生な状態が続くため頭皮はさらに炎症を起こし、慢性的なフケやかゆみの発生にも繋がっていくのです。
朝シャンのメリット・デメリットのどちらも知ると、デメリットの威力があまりにも強く感じられますよね。
ただ気持ち良いからと朝シャンをしていたのに、そんなにデメリットがあったなんて…とショックを感じている方も多いのではないでしょうか?
ですが、何点か注意するだけで、朝シャンのメリットを残しながらデメリットをなくすことも出来ます!
朝シャンをする時の注意点、おすすめの方法をご紹介します!
1つ目のおすすめ方法は、朝はシャンプー剤を使わないお湯のみでの洗髪です。これを“湯シャン”と言うそうです。
夜は、髪の成長のため汚れをしっかり落とすためにシャンプーなどで髪を洗うことがおすすめですが、夜も朝もシャンプーすると、庇護膜や必要な皮脂まで落としてしまうリスクがあります。ですが、湯シャンは薬剤を使わないため、洗いすぎる心配がなく髪に必要なバリア機能を残すことが出来ます。お湯だけでも、頭皮をマッサージするようにじっくり優しく洗うと、シャンプー剤を使わなくてもすっきり感が得られます。
さらに、湯シャンの後、リンスやトリートメントで少し保湿してあげると、バリア機能を守りながら乾燥も防いでくれるため、さらにダメージレスになります。
ずっと夜も朝もシャンプーしていた人は、最初はお湯だけでは物足りなく感じることもあるかもしれませんが、今後の髪の健康のために、是非実践してみてくださいね。
2つ目のデメリットをなくす方法は、朝シャンする場合は、髪をしっかりケアできるくらいの時間の余裕をもつことです。
そうすれば、急いでシャンプーすることがなく、すすぎ残しの防止となります。また、シャンプー後も庇護膜や必要な皮脂などがある程度再生するだけの時間をとることも出来、炎症やダメージに繋がるデメリットを抑えることに繋がります。
髪質や髪の長さ、髪を乾かす時間などによってヘアケアにかかる時間は人それぞれです。不十分にならない自分なりのケア時間を把握し、朝でもしっかり必要な時間を準備してあげましょう。
早起きが苦手、朝に時間を取ることが難しい人は、朝シャンのデメリットを受けやすくなることを考え、シャンプー習慣を見直してみることも大切です。
3つ目は、髪をしっかりと乾かすことです。半乾きのままは絶対やめましょう。
濡れた髪は、毛のコーティング機能があるキューティクルが開いている状態です。髪が乾いていないと庇護膜や皮脂の再生も不十分であるため、キューティクルが開いていると、より外部の刺激を受けやすくなるのです。そのまま外に出てしまうと一気にダメージヘアに繋がります。
さらに、湿った状態は頭皮にも髪にも雑菌が繁殖しやすくなり、せっかく綺麗にするために洗ったのに、頭皮と髪の環境を悪化させ、炎症とダメージを引き起こしてしまうのです。
髪をしっかり乾かすことは、そんなに難しい方法ではありません。乾かすだけでデメリットを少しでも回避することができるので、是非徹底してくださいね。
朝シャンすること自体が髪に悪いわけではありません。朝シャンに付随する行動によってデメリットが引き起こされることが多いため、デメリットになる行動を理解することで、髪への悪影響を抑えることが出来ます。
自身の日々のシャンプー習慣に活かしましょう!
朝シャンをする必要がなく夜シャンだけで済む方は、デメリットに触れる機会がそもそもないため、もちろん一番好ましいです。
ですが、どうしても朝シャンをやめられない時もあると思います。
そんな時は、お伝えしたデメリットに繋がる行動を思い出してください。デメリットは、少しの心掛けで抑えることが出来ます。
朝シャンをやめられない方は、デメリットを無くす習慣を癖付けて、生活に上手に取り入れていってくださいね!